シンガポールで会社を作ったというと、多くの人から「何で日本じゃないの?」「何でシンガポール?」とよく聞かれます。そこでシンガポールで会社を設立するメリットについて、何回かに分けて書いてみます。

まずは国を構成する人から見てみたいと思います。シンガポールという国は大変に小さく、人口で言うと5.5百万人程。さらにその内の3割程は外国人(!)という、エクスパット(Expat、現地駐在員)と移民で支えられた国でもあります。その結果、国際色豊か、というか国際色の塊のような国になっていて、シンガポール人がマイノリティに感じられる程です。人口構成は統計上は中華系7割、マレー系2割、インド系1割、となっていますが、実態としてはインド、パキスタン、バングラデシュ等々の労働者が大量になだれ込んでおり、感覚的には中華系5:マレー2:インド3、くらいの感覚です。※個人の思い込みもありますが

そして欧米人もすごく多いです。これは多くのグローバル企業がアジア・パシフィックを統括する拠点を設けていて、世界各国から人材を送り込んでいるからです。ちなみに欧米人はパーティ(クラブに行って酒飲んでワイワイ)が大好きなので、そういうところに行くと、より一層欧米人だらけ感を味わえたりします。

そんな中にいると、ある意味リラックスして全力が出せるのです。今や、日本のように比較的同質的な”常識”を持って生きなければいけない環境が、窮屈に思えるほど。

また、シンガポールには野心を持った人が続々と集って来ています。最も多いのは、中国人・インド人。中国人にとってシンガポールは中国語が通じ、かつ文化的にも近く、更に給料が格段に高い。インド人にとってシンガポールは英語が通じ、地理的に近く、更に給料が格段に高い。ということで、世界の半分近い人口を占める中国人・インド人の移民が、高い給料を求めて押し寄せてくるわけです。結果、両国の選りすぐりの優秀層がしのぎを削る、激烈な競争が起こっています。
更に、また後日書くつもりですが、シンガポールでは政府による各種の企業優遇措置があり、起業家を引き寄せ、シンガポールに新しいビジネスを作るインセンティブがあります。結果、洋の東西を問わず、人・金が集まり、新たな経済圏を作っていっています。

こうした人から得られる刺激は大変おもしろく、ダイナミックなものです。私を含め、多くの外国人起業家がシンガポールに感じる大きな魅力の一つが人、といえるでしょう。