シンガポール会社設立.com

シンガポールでの会社設立、運営、その他日々の生活について書くブログです。

タグ:会社設立

さて、シンガポールで会社を設立するのが有利なことはこれまでも色々書いてきました。(といってもまだまだ具体的な話しをかけていないので、これからどんどん追加していきたいと思っています) この記事では、シンガポールで会社を設立するに当たって、必要になる事項、要件をまとめてみます。尚、本ブログでは”会社”と言った場合には日本で言う株式会社に相当する”Private Limited”について述べています。

1)株主
株主は1人以上です!というと当たり前ですが、それ以上はありません。つまり、外国人だろうが、法人だろうが、個人だろうが、誰でも会社、Private Limitedが設立できてしまうのです。※ビジネスができる法人ということになると他にもパターンがありそうですが、私は詳しくないので。。。

2)取締役
誰でもなれます。但し、1人はLocal Director(現地取締役)である必要があります。会社設立時点でLocal Directorになれるのは、シンガポール国民、シンガポール永住権保有者、の何れかに限られます。※会社設立後、とある手順を経ると、日本人もLocal Directorになれます。私も自分の個人会社のLocal Directorになっています。それは追々。。。

 3)住所
シンガポール国内に会社の登記上の住所が必要です。多くの場合、後述するCorporate Secretary(会社秘書役)になるサービスが住所を提供しています。つまり、机も看板も何も無い場所に、登記上の住所を設定して、そこに公文書等が届くようにすることができます。シンガポールではオフィス賃料が極めて高いため、こうした”バーチャルアドレス”を使うのは非常に一般的です。

4)資本金
1ドルから可能です。但し、今現在、シンガポールの銀行はマネーロンダリングや脱税を防ぐため、法人向け口座開設に神経質になっており、資本金が低いと口座開設時の審査に通らない可能性が高まります。実際に、私の友人でも1万ドルの資本金で大手銀行から断られたケースがあります。(その後、増資をして他大手銀行で無事に開設できました。二人でハラハラしましたが。。。) お勧めは、3万ドル以上、可能であれば5−10万ドル用意しておくとベストです。

5)会社秘書役(Corporate Secretary)
この役職は日本にはありません。司法書士と監査役を足したような役割、とでもいいましょうか。会社の書類(議事録等)を作成し、保管、登記をする役目を担います。会社秘書役は必ず任命しなければいけません。法律・会計等、現地の実務に精通していないと行けないため、会計士や弁護士を要する、Secretarial Firm(秘書事務所)、会計事務所、法律事務所を雇うのが一般的です。

6)監査
シンガポールでは、一定の基準以上の会社は監査を受けなければいけません。2015年6月末までに終了する会計年度では、売上500万ドル以上または法人株主がいるまたは20人以上の株主がいる会社、となっています。2015年7月以降に開始する事業年度は少し緩和される予定です。監査対象となった場合には、株主総会にて監査人を選任することが必要となります。

少し長くなってきたので今回はこの辺で。次回は、この要件を見た時に、外国人(外国法人)として会社を設立する際の心配点について書いてみます。
 

シンガポールで会社を作ったというと、多くの人から「何で日本じゃないの?」「何でシンガポール?」とよく聞かれます。そこでシンガポールで会社を設立するメリットについて、何回かに分けて書いてみます。

まずは国を構成する人から見てみたいと思います。シンガポールという国は大変に小さく、人口で言うと5.5百万人程。さらにその内の3割程は外国人(!)という、エクスパット(Expat、現地駐在員)と移民で支えられた国でもあります。その結果、国際色豊か、というか国際色の塊のような国になっていて、シンガポール人がマイノリティに感じられる程です。人口構成は統計上は中華系7割、マレー系2割、インド系1割、となっていますが、実態としてはインド、パキスタン、バングラデシュ等々の労働者が大量になだれ込んでおり、感覚的には中華系5:マレー2:インド3、くらいの感覚です。※個人の思い込みもありますが

そして欧米人もすごく多いです。これは多くのグローバル企業がアジア・パシフィックを統括する拠点を設けていて、世界各国から人材を送り込んでいるからです。ちなみに欧米人はパーティ(クラブに行って酒飲んでワイワイ)が大好きなので、そういうところに行くと、より一層欧米人だらけ感を味わえたりします。

そんな中にいると、ある意味リラックスして全力が出せるのです。今や、日本のように比較的同質的な”常識”を持って生きなければいけない環境が、窮屈に思えるほど。

また、シンガポールには野心を持った人が続々と集って来ています。最も多いのは、中国人・インド人。中国人にとってシンガポールは中国語が通じ、かつ文化的にも近く、更に給料が格段に高い。インド人にとってシンガポールは英語が通じ、地理的に近く、更に給料が格段に高い。ということで、世界の半分近い人口を占める中国人・インド人の移民が、高い給料を求めて押し寄せてくるわけです。結果、両国の選りすぐりの優秀層がしのぎを削る、激烈な競争が起こっています。
更に、また後日書くつもりですが、シンガポールでは政府による各種の企業優遇措置があり、起業家を引き寄せ、シンガポールに新しいビジネスを作るインセンティブがあります。結果、洋の東西を問わず、人・金が集まり、新たな経済圏を作っていっています。

こうした人から得られる刺激は大変おもしろく、ダイナミックなものです。私を含め、多くの外国人起業家がシンガポールに感じる大きな魅力の一つが人、といえるでしょう。 

↑このページのトップヘ